『 熊本大会開催にあたって 』
熊本県立熊本かがやきの森支援学校校長
熊本大会実行委員長 冨永佐世子
令和6年度全国肢体不自由教育研究協議会熊本大会の実行委員長として一言ご案内申し上げます。
令和6年度の大会は第70回を数える節目の大会となります。これまで本大会に関係された皆様の英知を集結して、様々な工夫を凝らしながら途切れることなく継続してこられましたことに多大なる敬意を表する次第です。
今年度の熊本大会においては、ハイブリッドで開催された第69回島根大会からバトンを引き継ぎ、完全に従来の方式に戻した参集研修での開催といたします。
熊本大会では、「肢体不自由教育の充実をとおした共生社会形成の推進」を大会主題とし、副題を令和5年6月に閣議決定された、「教育振興基本計画」を基に「~個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実をめざして~」とし、令和6年11月13日(水)~15日(金)の3日間、熊本市で開催いたします。大会2日目の記念講演には、九州ルーテル大学教授の栗原和弘様に、熊本地震の教訓からご講演をいただきます。3日目には、熊本かがやきの森支援学校において、公開授業を実施いたします。自立活動、国語・算数・数学などの教科指導、アシスティブテクノロジーを活用した授業も是非ご覧いただければと、実践を積み重ね、準備を進めています。また、熊本かがやきの森支援学校は、熊本地震の際に臨時避難所として2週間に亘って近隣住民約700人、児童生徒家族約70人を受け入れました。その際の避難所運営の様子もスライドなどを校内に展示してご覧いただく予定です。
近年、熊本は3つの災害に見舞われました。1つは、平成28年4月の熊本地震、2つ目は令和2年7月の人吉・芦北豪雨災害、そして、3つ目は、全世界が苦しんだ新型コロナウイルス感染症です。熊本地震で中心市街地は熊本城と共に甚大な被害を受け、ネオンが輝いていた夜の飲食店街も建物の倒壊などで営業ができなくなり、真っ暗な街になってしまいました。また、熊本の象徴、県民の心の拠り所である熊本城が痛々しい姿に変貌したことにも熊本県民は衝撃を受けました。しかし、火の国魂の火付け役として「くまモン」を復興隊長に、県民一丸となって復旧復興に向けて必死に頑張り、ようやく夜の街にもネオンが輝くようになったと喜んでいた矢先、コロナウイルスが猛威を振るい、そのダメージは計り知れないものがありました。だからこそ、美しく復元された熊本城やその町並みを沢山の皆様に観ていただいたり、おいしい郷土料理を召し上がったり等の研修会以外の楽しみも含めて、是非熊本においで願いたいと思っています。
本大会では、肢体不自由教育に関する大変貴重な研修の機会として、一人でも多くの皆様方にご参加いただけることを切に願い、ご参加をお待ちしております。